写真と言葉森山 大道

Works and Words by DAIDO MORIYAMA

優れた写真家というだけでなく優れた文章家であり語り手でもある森山大道氏。
このページは黒と白カレーのパッケージになったもとの写真と、印刷媒体を通じてこれまでに発表された森山氏の文章や言葉の一部を抜粋して再構成したものです。

クリーンでスクエアな町には安寧と退屈があり、ジャンクでヒップな町には混沌と誘惑がある。しかもそのたたずまいには、どこか遠い日に見た終戦後の記憶につながる懐かしさすら感覚できる。たとえば東京湾岸ではなくて新宿一帯が、ブラジリアではなくてブエノスアイレスが、というわけだ。いかがわしくてうさん臭くて、たくさんの野犬がいて混血する人々がいて、そして固有の音楽が聞こえてくるとすれば、そんな街はまちがいなくセクシーなわけだから。“バースト6 ブエノスアイレス”より

出典:フォト・エッセイ集『もうひとつの国へ』朝日新聞出版(2008/9/30)p.147
初出:月刊「BURST HIGH」2005年5月号 コアマガジン

Text and Photo by DAIDO MORIYAMA
©DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION

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